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Gemini 4 Argonのエージェント機能を徹底解説|タスク・40超のアプリ連携・Antigravity・APIで何ができる?

2026年10月14日 31分で読める AQUA合同会社
Gemini 4 Argonのエージェント機能を徹底解説|タスク・40超のアプリ連携・Antigravity・APIで何ができる?

Googleは2026年10月13日、新しい最上位モデル「Gemini 4 Argon(ジェミニ・フォー・アルゴン)」の一般公開を始めました。9月30日の発表時は、審査を通ったサイバー防御の組織しか使えませんでしたが、今回から有料のGeminiアプリ会員、開発者、企業が、AIに仕事を「任せる」エージェント機能と一緒に使えるようになりました。この記事では、何がどこで使えるようになったのかを、Googleの公式資料の画面を並べて確かめていきます。

この記事で分かること

  • Gemini 4 Argonが使える4つの場所と、それぞれに必要な契約
  • Geminiアプリの新機能「タスク」と、40を超えるアプリ連携で何が変わるか
  • 開発者向けのAntigravity(アンチグラビティ)と管理型エージェントの仕組み・料金
  • 公式の性能表で「強い所」と「1位ではない所」、日本の会社が今やるべきこと

情報は2026年10月14日時点のGoogleの公式発表・リリースノート・API資料と、主な報道にもとづきます。AQUAはこの記事の時点で、Gemini 4 Argonを自社の業務で動かして評価していません。体験談ではなく、公表資料の読み解きです。

目次

  1. 何が起きた?10月13日に一般公開
  2. Argonは4つの場所で動く
  3. Geminiアプリの「タスク」:チャットと何が違う?
  4. 40を超えるアプリ連携と「Customize」
  5. 開発者向け:Antigravityと管理型エージェント
  6. 性能表の読み方:エージェントに効く数字、1位ではない数字
  7. 安全性:「乗っ取られにくさ」と「止まる」設計
  8. 料金:12月1日に2倍になる
  9. 日本の会社・個人は今どう動く?
  10. AQUAの見解

1. 何が起きた?10月13日に一般公開

まず時系列です。9月24日、Google DeepMind(グーグルのAI研究部門)のコライ・カヴクチュオール氏は、次のモデルが「仕上げの訓練(ポストトレーニング)」の段階にあり、できるだけ早く出したいと話しました(9to5Google)。そして9月30日(日本語版は10月1日)、Googleは「Gemini 4 Argon:フロンティア知能の新時代」を発表しました。

ただ、発表の時点で使えたのは、Googleが「Fairwind Program(フェアウィンド・プログラム)」と呼ぶ枠に入った、審査済みのサイバー防御の組織だけでした。AQUAも10月1日の記事「Gemini 4 Argonはいつ使える?」で、「発表と、誰でも使えることは別の出来事」と書いています。

それから約2週間後の10月13日、Googleは開発者・企業・科学者・一般の利用者への提供を発表しました。ロイター通信も同日、開発者と企業に向けて世界で提供を始めたと報じています(Reuters)。翌10月14日には、Google Cloudのブログでも企業向けの提供が告知されました。

Gemini 4 Argonの時系列。9月24日の説明、9月30日の発表、10月13日の一般公開、11月30日の導入価格の最終日、12月1日の通常価格への切り替え
AQUA作成。Googleの公式発表、Gemini API料金ページ(2026年10月14日確認)、9to5Googleの報道(9月24日)をもとに整理

Geminiアプリ向けの発表文はとても短く、要点は5つの段落に収まっています。答えがより直接的になった、長い作業では進み具合をこまめに知らせる、Macのアプリでコーディング用のAntigravityが使える、チャットから「タスク」に切り替えられる、40を超えるアプリとつながる。そしてこれらが、Google AI ProとUltraの会員向けだという点です。

Googleのブログ記事「Gemini 4 Argon comes to the Gemini app.」の本文。タスクへの切り替え、40を超えるアプリとの連携、Google AI ProとUltraの会員が対象であることが書かれている
Google「Gemini 4 Argon comes to the Gemini app.」(2026年10月13日)より引用。公表ページを見る

2. Argonは4つの場所で動く

今回の発表で一番迷いやすいのは、「Argonが使える」と言っても、場所によってできることと必要な契約が違う点です。同じモデルの話なのに、アプリの会員、開発者、企業の担当者では、見ている画面がまったく違います。

Gemini 4 Argonが動く4つの場所。Geminiアプリ(Google AI Pro・Ultra)、Google Antigravity(ArgonはUltra)、Gemini API・AI Studio(有料枠のみ)、Gemini for business・Google Cloud(企業向け契約)
AQUA作成。Googleの公式発表・リリースノート・API資料(2026年10月13〜14日)をもとに整理
場所 主な使い手 必要な契約 エージェントとしてできること
Geminiアプリ 一般の利用者 Google AI Pro・Ultra 「タスク」に切り替えて、PCを離れていても作業を続けさせる。40を超えるアプリと連携
Google Antigravity 開発者 ArgonはUltra コーディング用のエージェントが計画を立て、実装し、テストまで進める
Gemini API・AI Studio 開発者 APIの有料枠 モデルを直接呼ぶ。管理型エージェントは呼ぶたびに隔離された作業場を用意(プレビュー)
Gemini for business・Google Cloud 企業 企業向け契約 社内の文書や業務とつなぐ。Googleは「仕事用の万能エージェント」を案内

表の言葉は、資料の内容を分かりやすく言い換えたものです。正確な文言は原文をご確認ください。

注意したいのは、APIの料金ページに「Gemini 4 Argonは、無料枠またはGoogle AI Proプランではご利用いただけません」と書かれている点です。アプリでProに入っていても、それだけでAPIからArgonを呼べるわけではありません。アプリの会員と、APIの有料枠は別の契約です。

また9to5Googleは、Antigravityのデスクトップ版やコマンド版でArgonを選ぶにはUltraが必要だと報じています(9to5Google)。アプリのモデル選択には、3.5 Flash-Lite・3.8 Flash・3.1 Pro・4 Argonが並ぶとのことです。

3. Geminiアプリの「タスク」:チャットと何が違う?

一般の利用者にとって一番大きな変化は、メインのチャット画面に「チャット」と「タスク」の切り替えができたことです。Googleの説明では、タスクを選ぶと、あなたがパソコンの前にいない間も、GeminiがGoogleのアプリなどをまたいで作業を進めます。

チャットとタスクの違い

チャットその場で答えをもらう質問して、答えを読んで、また聞く。人が画面の前にいて、1往復ずつ進む使い方です。
タスク仕事を預けて、あとで受け取る目的を伝えたら、AIが手順を考えて進めます。長い作業では途中経過をこまめに共有するとGoogleは説明しています。

9to5Googleによると、この「タスク」は、5月に米国のUltra会員向けに試験提供された「Gemini Spark(スパーク)」が名前を変えたものです。Sparkは、24時間動き続ける個人用のエージェントとして紹介されていました。

Googleが10月13日の発表で示した例は、具体的です。モデルの発表記事では、Argonが独自の「スキル」(決まった手順をまとめた指示書)を使って顧客向けの提案資料を作り、メールの下書きと送信をして、今後の依頼に備えて定期的な作業の流れまで組んだ、と紹介しています。リリースノートにも「複雑な財務報告の分析」「ばらばらの資料からのスライド作成」「動く3Dモデルの作成」が例として並んでいます。

まだ公表されていないこと

一方で、仕事を預ける前に知りたい点が、まだ公表されていません。米国の広告業界メディアPPC Landも、次の点が発表文に書かれていないと指摘しています。

  • 使える国と言語:アプリのArgonは「世界で」とありますが、タスク機能そのものの対象国・言語の一覧はありません
  • 回数や時間の上限:タスクがチャットと同じ上限を使うのかは書かれていません
  • 実行前の確認:買い物や送信など、取り返しのつかない操作の前に必ず確認するのか、アプリ向けの説明にはありません(企業向けとモデルの説明では「止まって人の確認を待つ」と書かれています)
  • データの扱い:タスクや連携アプリとの間でどんな情報がやりとりされ、どれだけ保存されるのか

無料プランとGoogle AI Plusは対象外です。Android Policeは、Pro会員の記者の画面にもまだ表示されていないと報じており、段階的な配信とみられます(Android Police)。Proに入っているのに見当たらない場合は、配信待ちの可能性があります。

4. 40を超えるアプリ連携と「Customize」

タスクと一緒に大きく変わったのが、外部のアプリとのつながりです。Googleは、Geminiが40を超えるアプリにつながり、Instacart(食料品の配達)、OpenTable(飲食店の予約)、Adobe(画像の編集)、Shopify(ネットショップの構築)などと一つの会話の中で作業できると説明しています。9月23日には、Airtable、Linear、monday.com、Zoho、Squarespace、Webflowなどの追加も発表されていました。

設定は、左のメニューの「Customize(カスタマイズ)」にまとまりました。ここで連携するアプリを選び、「スキル」を足して、自分の書き方や書式のルールを覚えさせることができます。スキルについては、AQUAの記事「Geminiが『自分専用』に変わる新機能『Skills』とは?」で詳しく解説しています。

ここで、日本の利用者が必ず読んでおきたい一文があります。Geminiアプリのリリースノートの10月13日の欄です。

Geminiアプリのリリースノート2026年10月13日の欄。Gemini 4 ArgonがGoogle AI ProとUltraの会員に世界で配信されること、Antigravityは英語で18歳以上、連携アプリの多くは米国の英語向けと書かれている
Google「Gemini Apps’ release updates & improvements」2026年10月13日の欄より引用。公表ページを見る

リリースノートの要点を日本語にすると、次のとおりです。

機能 対象 言語・地域の条件
Gemini 4 Argon Google AI Pro・Ultra 世界で順次配信
Macアプリ内のAntigravity 個人のGoogleアカウントと対象の仕事用アカウント(18歳以上) 英語。Antigravityが使える地域
Customize(連携アプリとスキル) すべてのプラン 画面は世界で配信。ただし連携アプリの多くは米国の英語向け。一部は他の英語圏・ブラジル・インド

表の言葉は、資料の内容を分かりやすく言い換えたものです。正確な文言は原文をご確認ください。

つまり、日本の利用者がProに入れば、Argonそのものは使える見込みですが、「Instacartで買い物」「OpenTableで予約」のような連携の多くは、今のところ日本では使えないと読むのが自然です。発表の動画や例は米国の生活を前提にしているので、そのまま日本に当てはめないよう注意が必要です。日本で当面すぐ役立つのは、GmailやGoogleドライブなど、Google自身のアプリをまたぐ作業でしょう。

5. 開発者向け:Antigravityと管理型エージェント

Antigravity:計画を承認して、あとは任せる

Google Antigravityは、AIがコードを書くための開発環境です。今回、GeminiのMacアプリの中に組み込まれました。リリースノートによると、チャットで考えを固めたら、Antigravityでコーディング用のエージェントを立ち上げて計画を承認し、チャットに戻れます。エージェントは裏でコードを作ってテストし、確認できる状態になったら知らせてくれます。

Googleは社内の成果として、Antigravityの中でArgonを使ったところ、エージェントによるコードの提出が35%以上増え、元に戻す作業(ロールバック)が約3分の1減ったと発表しています。また、ChromeのChromium(約4,000万行)の中にある約600万行の古いフォルダから、ページを表示する中心部分を切り離す作業が、数か月から数週間に縮んだとしています。どちらもGoogle自身の公表値で、外部の検証は済んでいません。

管理型エージェント:呼ぶたびに、隔離された作業場

プログラムからエージェントを使いたい開発者向けには、Gemini APIの「マネージドエージェント(管理型エージェント)」があります。公式資料によると、1回のAPI呼び出しで、Linuxのサンドボックス(外から切り離された作業用のコンピュータ)が用意され、その中でエージェントが考え、コードを動かし、ファイルを整理し、ウェブを調べます。

Gemini APIのマネージドエージェントの説明ページ。Linuxのサンドボックスが用意されること、AntigravityエージェントとDeep Researchエージェントが使えることが書かれている
Google AI for Developers「エージェントの概要」(2026年10月14日確認)より引用。公表ページを見る

用意されているのは、何でもこなす「Antigravityエージェント」と、調べものを計画して実行しまとめる「Deep Researchエージェント」です。資料を読むと、運用で押さえるべき点がはっきり書かれています。

項目 公式資料に書かれていること 実務での意味
提供の段階 パブリックプレビュー。機密性の高い作業では結果を確認するよう推奨 本番の業務にそのまま組み込むのは早い
既定のモデル AntigravityエージェントはGemini 3.8 Flashで構築。設定で変更可 Argonを使うなら、明示的に切り替える必要がある
外への通信 既定では制限なし。許可するドメインの一覧で絞れる 最初に許可リストを設定するのが安全
パスワード等 管理された認証情報としてIDで参照し、作業場の中には置かない キーをプロンプトやファイルに書かない設計にできる
使う量 1回のやりとりで、通常10万〜300万トークン 1回の呼び出しでも費用が大きくなりうる
作業場の保存 7日間使わないと完全に削除 残したい成果物は外に保存する

表の言葉は、資料の内容を分かりやすく言い換えたものです。正確な文言は原文をご確認ください。

サンドボックスの外への通信が「既定で制限なし」という点は、特に大事です。エージェントが調べもの中に悪意のあるページを読み、そこに書かれた指示に従ってしまう攻撃(後で説明する「間接的プロンプトインジェクション」)を考えると、通信先を絞っておくことが、最初にやるべき守りになります。

6. 性能表の読み方:エージェントに効く数字、1位ではない数字

Googleは発表で、性能の比較表を公開しています。比べている相手は、OpenAIのGPT-6 Astra、AnthropicのClaude Fable 5.1とClaude Opus 5.5です。

Googleが公開したGemini 4 Argonの性能比較表。Vals Index、AutomationBench、DeepSWE v1.1などでGemini 4 Argonが首位、FrontierSWE v2、Terminal-bench 4.0、OSWorld-2.0などでは他のモデルが上回っている
Google「Gemini 4 Argon:フロンティア知能の新時代」(2026年10月1日)より引用。評価方法はdeepmind.google/models/evals-methodology/gemini-4-argon。公表ページを見る

表は全部で18項目あります。エージェントとして使うときに関係の深いものを抜き出すと、次のようになります。

何を測る? 評価の名前 Argon 一番高かったモデル
業務の自動化を最後までやり切る AutomationBench 51.3% Argon(次はOpus 5.5の42.5%)
財務の多段階の調査 Vals Finance Agent v2 65.4% Argon(次はFable 5.1の58.9%)
長い期間のソフトウェア開発 DeepSWE v1.1 77.9% Argon(次はOpus 5.5の74.2%)
大量の資料の中をたどる GraphWalks(25.6万〜100万) 84.2% Argon(次はAstraの71.8%)
難しい開発課題 FrontierSWE v2 55.0% GPT-6 Astra(65.5%)
コマンド操作で仕事を進める Terminal-bench 4.0 57.4% Claude Opus 5.5(66.4%)
パソコンの画面を操作する OSWorld-2.0 69.2% GPT-6 Astra(72.6%)

数値はGoogleの公表値です。項目の説明はAQUAが分かりやすく言い換えたものです。

読み取れるのは、Argonが「資料を読み込んで、長い手順を最後までやり切る」系の仕事に強いということです。業務の自動化、財務の調査、長い開発、大量の資料の読み込みで、はっきり差をつけています。

一方で、画面を操作するタイプのエージェント(OSWorld)や、コマンドを打って進める作業(Terminal-bench)では、他社のモデルが上回っています。「エージェントなら何でもArgonが一番」ではありません。

外部の評価も見ておきます。性能評価会社のVals AIは、自社の総合指標「Vals Index」で、Argonを68.90%の1位としています(2位はClaude Sonnet 5.5の67.04%)。ただし、Googleの表が比べている相手は3つのモデルだけです。もっと多くのモデルを並べたVals AIの一覧では、法務の「Harvey’s Legal Agent Benchmark」は79モデル中6位、画面操作の「CUA-bench」は8モデル中7位でした(Vals AI)。「表の中で1位」と「すべてのモデルの中で1位」は別の話だということが分かります。

評価の数字は、どれも英語の課題が中心です。日本語の社内文書や日本の商習慣で同じ結果が出るかは、まだ分かりません。導入を考えるなら、自社の実際の仕事で小さく試して比べるのが確実です。

7. 安全性:「乗っ取られにくさ」と「止まる」設計

仕事を任せるエージェントで一番怖いのは、AIがだまされて、頼んでいないことをしてしまうことです。代表的なのが間接的プロンプトインジェクション(読み込んだウェブページやメールに隠された指示に、AIが従ってしまう攻撃)です。

Googleは、外部の安全性評価会社Gray Swanの評価で、Argonがもっとも乗っ取られにくかったと発表しています。15回くり返し攻撃したときの成功率は0.7%で、Claude Opus 5.5とClaude Fable 5.1が1.0%、GPT-6 Astraが8.5%でした。

Gray Swanの間接的プロンプトインジェクション評価のグラフ。15回の攻撃での成功率がGemini 4 Argonは0.7%で最も低く、Claude Opus 5.5とClaude Fable 5.1が1.0%、GPT-6 Astraが8.5%
Google「Gemini 4 Argon:フロンティア知能の新時代」(2026年10月1日)より引用。数値が低いほど攻撃に強い。公表ページを見る

数字の小ささより大事なのは、0%ではないという点です。攻撃する側が15回まで試せる条件で、成功率が0.7%、つまりおよそ140件に1件は乗っ取りが成功した、という意味です。エージェントが毎日たくさんのページやメールを読むなら、いつかは起きる前提で設計する必要があります。

Googleは、この弱点を補う設計も説明しています。10月13日のモデル発表とGoogle Cloudのブログによると、Argonは次のように訓練されています。

  • システムの境界を守る:許されていない範囲には手を出さない
  • 取り返しのつかない操作の前に止まる:人の確認を待ってから進む
  • できなかったことを正直に言う:見つからなかった、終わらなかったと報告する
  • 考えの過程を見張る:自動の監視が、エージェントの考えと行動を読み、必要なら実行を止める

「できなかったことを正直に言う」は、地味ですが実務では大きな点です。エージェントの失敗で一番困るのは、終わっていないのに「終わりました」と報告されることだからです。Googleは、コーディングの評価で近道(ずる)をしようとした割合が2%まで下がったとも発表しています。ただしこれらも、すべてGoogle自身の発表です。

AIエージェントの安全性については、AQUAの記事「AIチャットの『考え中』から秘密が漏れる?」や「AI×サイバーセキュリティ2026年最新動向」でも扱っています。

8. 料金:12月1日に2倍になる

APIの料金は、11月30日までの導入価格と、12月1日からの通常価格に分かれています。

Gemini API料金ページのGemini 4 Argonの欄。無料枠とGoogle AI Proプランでは使えないこと、入力・出力・キャッシュの料金が2026年11月30日までと12月1日からで分かれていることが書かれている
Google AI for Developers「Gemini Developer API の料金」(2026年10月14日確認)より引用。公表ページを見る
100万トークンあたり 11月30日まで 12月1日から
入力 2.00ドル 4.00ドル
出力(考える分を含む) 10.00ドル 20.00ドル
キャッシュ(同じ入力の再利用) 0.10ドル 0.20ドル
バッチ・Flex(急がない処理) 上の半額 上の半額
優先(Priority) 入力3.60・出力18.00 入力7.20・出力36.00

料金はGemini API料金ページ(2026年10月14日確認)にもとづきます。為替や税は含みません。

たとえば、資料100万トークン分を読み込ませて、10万トークンの報告書を書かせる場合、導入価格なら入力2ドル+出力1ドルで約3ドル、12月1日からは約6ドルです(AQUAの試算。キャッシュや割引は考えていません)。

エージェントは、この「読む・考える・書く」を何度もくり返します。管理型エージェントの資料が「1回のやりとりで10万〜300万トークン」と書いているのは、そのためです。人がチャットで使うときの感覚で予算を見積もると、桁が違ってくることがあります。試すなら、Google Cloudの予算アラートや利用上限を先に設定しておくのが安全です。

なお、管理型エージェントの作業場の計算資源(CPUやメモリ)は、プレビュー期間中は請求されません。期間の終わりはまだ公表されていません。

9. 日本の会社・個人は今どう動く?

ここまでの事実をもとに、立場ごとに「今やること」をまとめます。

Geminiアプリを使っている個人

  • プランを確認する:Argonとタスクは、Google AI ProかUltraが必要です。無料とAI Plusは対象外です
  • まず自分の仕事で「タスク」を一つ試す:調べものをまとめる、資料からスライドの下書きを作るなど、失敗しても困らない作業から始めます
  • 連携アプリの例を日本に当てはめない:InstacartやOpenTableの例は、主に米国向けです
  • 送信・購入・削除は自分で確かめる:アプリでの確認の仕組みは、まだ詳しく公表されていません

AIを業務に入れたい会社

  • 任せる仕事を「読む・まとめる・下書き」から選ぶ:性能表で強いのは、資料を読み込み長い手順をやり切る仕事です
  • 日本語の自社データで比べる:今使っているモデルと、同じ課題・同じ採点基準で、10件ほど並べて比べます
  • データの扱いを契約で確かめる:個人向けアプリと企業向け契約では、データの扱いが違います。社内情報は企業向けの契約の中で使います
  • 12月1日の値上げを予算に入れる:導入価格の時期に試算した費用は、そのままでは続きません

エージェントを組み込みたい開発者

  • 通信先の許可リストを最初に作る:管理型エージェントの外への通信は、既定では制限がありません
  • キーは認証情報の仕組みに預ける:プロンプトやファイルにキーを書かないようにします
  • 人が承認する場面を決めておく:送信、支払い、本番環境への変更は、必ず人が確認する流れにします
  • 予算の上限を設定する:1回の呼び出しで数百万トークンを使うことがあります

よくある質問

日本でGemini 4 Argonは使えますか?
アプリのArgonについて、Googleのリリースノートは「Google AI ProとUltraの会員に世界で配信」としています。ただし段階的な配信なので、すぐ表示されない場合があります。連携アプリの多くとMacアプリ内のAntigravityは、英語が前提です。
Google AI Proに入れば、APIでもArgonが使えますか?
いいえ。APIの料金ページに、無料枠とGoogle AI ProプランではArgonを使えないと明記されています。APIは有料枠の契約が別に必要です。
「タスク」と「Gemini Spark」は同じものですか?
9to5Googleは、タスクがSparkの新しい名前だと報じています。Googleの発表文自体には、Sparkという名前は出てきません。
エージェントに任せた作業が失敗したら?
Googleは、Argonが「見つからなかった」「終わらなかった」と正直に報告するよう訓練されていると説明しています。それでも結果は人が確かめる前提で使うのが安全です。管理型エージェントの資料も、機密性の高い作業では結果の確認を勧めています。

10. AQUAの見解:「何ができるか」より「どこまで任せるか」

ここからは、AIの開発と運用に携わるAQUAの意見です。

見解 1

今回の本当の変化は、モデルの点数より「任せ方」が製品になったこと

性能表の数字は確かに強いのですが、私たちが一番大きいと考えるのは、チャットの画面に「タスク」という切り替えが置かれたことです。これまでエージェントは、開発者が組み立てるものでした。それが、一般の人が「ちょっとこれやっておいて」と預けられる形になりました。これからは、AIに「何ができるか」よりも、「どこまで任せて、どこで人が確かめるか」を決める力が、使う側に問われるようになります。

見解 2

日本では、まず「Googleの中で完結する仕事」から試すのが現実的

連携アプリの多くが米国の英語向けである以上、発表の動画のような「買い物も予約も一度に」は、日本ではまだ先の話です。一方で、Gmail・ドライブ・カレンダーをまたぐ調べものや資料作りは、今日から試せる範囲にあります。性能表でArgonが強いのも、まさに資料を読み込んで長い手順をやり切る仕事です。日本の会社が試すなら、ここから始めるのが一番効果を確かめやすいと考えます。

見解 3

「0.7%」を安心の数字ではなく、設計の前提として読む

乗っ取りに強いという結果は、たしかに前進です。それでも、毎日何百通ものメールやページを読むエージェントにとって、0.7%は「いつか起きる」数字です。管理型エージェントの通信が既定で制限なしであることも考えると、通信先を絞る、キーを中に置かない、送信や支払いは人が承認するという3つは、モデルの性能に関係なく、最初に決めておくべき守りだと考えます。

まとめ

Gemini 4 Argonは2026年10月13日、Geminiアプリ・API・企業向けで一般公開され、チャットから切り替える「タスク」や40を超えるアプリ連携、Antigravity、管理型エージェントと一緒に使えるようになりました。公式の性能表では、資料を読み込み長い手順をやり切る仕事で強く、画面操作やコマンド操作では他社が上回る項目もあります。日本では連携アプリの多くとAntigravityのMac組み込みが英語前提で、APIは無料枠とProプランでは使えず、料金は12月1日に2倍になります。試すなら、失敗しても困らない仕事から、任せる範囲と人の確認の場面を決めて始めるのが確実です。

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主な参照元

画像について

  • Googleの公式ブログ、Geminiアプリのリリースノート、Google AI for Developersの画面と図は、各画像の下に記した公表ページから、説明に必要な部分だけを引用しました。見出し画像と図2点(時系列・4つの場所)はAQUAが作成しました。

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