Geminiの新機能・2026年10月版
「乗り換えは少なく、歩く距離は短め。候補は料金も並べて」。行き先を調べるたび、同じ条件を打ち直すのは案外面倒です。Googleが発表したSkills(スキル)は、そんな自分の好みや手順をGeminiに保存しておける機能。地図探しから仕事の文章まで、いつもの依頼を短く始められます。
名前を指定して呼び出せるほか、内容に合うとGeminiが適用し、複数のSkillsを組み合わせることもできます。提供はアカウントごとに段階的に進みます。
1.GeminiのSkillsとは? 変化は3つ
Skillsは、作業の進め方や出力の形を記した再利用できる指示です。Googleは2026年9月30日に発表し、GeminiのチャットとGoogle Workspaceへの展開を案内しました。Googleの発表では、作成済みの会話からSkillを作る方法も紹介されています。
乗り換え回数、文章の長さ、表の並べ方を名前付きで保存。
チャット内で選択。内容に合えば自動で使われることもあります。
経路比較と予定の整理など、別々の指示を一つの依頼に活用。

2.誰が、どこで使える?
| 使う場所 | 2026年10月時点の案内 |
|---|---|
| 個人のGeminiアプリ | 18歳以上の個人Googleアカウント、アクティビティの保存が必要。ウェブ、モバイル、Macアプリに対応。Googleは10月13日からの段階展開を案内しています。 |
| Google Workspaceのアプリ | 対象プランで10月5日から段階展開。管理者の設定やドメインの提供方式により表示時期が変わります。 |
| 料金 | GeminiチャットのSkillsはGoogle AIの有料契約なしでも利用可能。アカウントに表示される提供状況を確認できます。 |
GoogleのGeminiアプリのヘルプとWorkspaceの提供予定に基づきます。GeminiアプリとWorkspace内で作ったSkillsは、現在それぞれの場所で管理します。
3.従来の「Gems」と何が違う?
Gemsは専用のカスタムAIを開く感覚。Skillsは普段のチャットに必要な手順だけを差し込む感覚です。
| 使い方 | Gems | Skills |
|---|---|---|
| 会話の場所 | 専用のGemを開く | いつもの会話の中で使う |
| 呼び出し | Gem一覧から選ぶ | 「/」で選ぶ。将来は「@」に変更予定。内容に応じた自動適用も可能 |
| 組み合わせ | 一つのGemで会話 | 一つの依頼に複数のSkillsを重ねられる |
| 引き継ぎ | 順次Skillsへ移行 | 指示を名前付きで管理 |
「経路を比較する」と「予定を短くまとめる」を同じ会話で重ねられる点が、新しい使い方です。Gemからの移行案内
4.最初のSkillは3ステップで作れる
Googleは「一つのSkillに一つの仕事」「名前と説明を具体的に」「欲しい出力例を添える」方法を勧めています。公式の作成ガイド
5.地図・乗り換え検索なら、こう使う
予定のたびに出発地と目的地は変わっても、あなたの「歩く距離は短め」「乗り換えは少なめ」という好みは似ていませんか。そこで、経路の比べ方をSkillとして保存します。

説明:電車や徒歩の経路を探すときに使う。乗り換え回数と歩く距離を重視する。
指示:①到着希望時刻・出発地・目的地を確認する。②乗り換え1回以内、徒歩10分以内を優先する。③候補を所要時間・料金・乗り換え回数・徒歩時間で短い表にする。
次回の依頼:「渋谷駅から横浜赤レンガ倉庫。土曜11時着で」
これはSkillの設定例です。具体的な経路や時刻は、その都度Geminiの地図検索で取得します。移動時は回答からGoogleマップを開いて案内を使えます。
6.呼び出し・自動適用・組み合わせ
確実に使いたいときは、入力欄で「/」を入れてSkillを選びます。Googleは将来「@」へ変更する予定も案内しています。Skillを有効にしておけば、Geminiが依頼の内容から選ぶ使い方もできます。
自動適用を止めたいSkillは、[設定]→[スキル]から無効化できます。あとで再び有効にすることもできます。管理方法の詳細
7.仕事なら、短い依頼で同じ品質に近づける
仕事では「会議メモを、社内向けの要点3つと、相手へ送る丁寧な確認メールにする」Skillが便利です。確認事項、担当者、期限の並べ方を保存しておけば、毎回の依頼は「この会議メモを整理して」で始められます。
私なら、一つの巨大なSkillに全業務を詰め込まず、「メモを整理する」「メールを書く」を分けます。用件ごとに直しやすく、必要なときだけ重ねられるからです。これはGoogleが勧める「一つのSkillに一つの仕事」という設計とも合います。
8.ファイル、作成数、対応範囲
| 項目 | 押さえる点 |
|---|---|
| 参考ファイル | テキスト、PDF、画像などをSkillとともにアップロードできます。ファイル一式の上限は100MB。 |
| 作成・管理 | 作成数は無制限。同時に有効にできるSkillは最大100件。編集、無効化、ダウンロードができます。 |
| ほかの機能 | Workspaceなど一部の接続アプリで利用できます。CanvasやDeep Researchなどは今後の対応を待つ段階です。 |
「毎週決まった時刻に動いてほしい」場合は、Skillsでやり方を定め、別機能のタスク・スケジュールで何を・いつを指定します。Googleの機能説明
9.開発者なら「SKILL.md」が見どころ
GoogleはSkillsを、Markdownで書くSKILL.md形式に基づく仕組みとして説明しています。名前、適用場面、手順をファイルにまとめ、対応画面から読み込めます。GitHubで差分を見ながら改善すれば、チームの作業手順を育てやすいでしょう。
---
name: compare-train-routes
description: 電車や徒歩の経路を比較するときに使う
---
# 手順
1. 出発地・目的地・到着希望時刻を確認する
2. 乗換回数、徒歩時間、料金を表で比較する
Googleの公式GitHubリポジトリにはGemini API・SDK向けSkillsの例があります。アプリの利用手順はGeminiアプリのヘルプ、ファイル形式や移植性はWorkspace公式発表で確かめられます。
10.Gemsを使っている人の移行予定
GoogleはGemを段階的にSkillsへ移す方針です。個人アカウントでは2026年11月から自動移行の案内が始まり、仕事用・学校用アカウントは2027年以降の予定です。手動で作り直す場合は、Gemの名前・説明・指示を新しいSkillへ移せます。
| アカウント | Googleの案内 |
|---|---|
| 個人 | 2026年11月からGemをSkillsへ段階移行 |
| Workspaceの事業・企業 | Gemの終了は2027年3月1日以降 |
| 教育 | Gemの終了は2027年6月1日以降 |
時期と手順の詳細はGoogle公式の移行案内で確認できます。
11.よくある疑問
無料プランでも使える?
はい。Googleは、Google AIの有料契約がなくてもGeminiチャットのSkillsを利用できると案内しています。提供はアカウントごとに進みます。
画面に[スキル]が見当たらないときは?
個人アカウント、18歳以上、アクティビティの保存を確認してください。段階提供のため、表示時期はアカウントで異なります。
意図しない場面でSkillが使われたら?
[設定]→[スキル]で対象を編集するか、いったん無効化できます。説明文に「どんな依頼で使うか」を具体的に書くと、適用場面が明確になります。
12.まとめ|Geminiに「自分の基準」を渡す
Skillsを使うと、自分の判断基準を、いつもの会話に持ち込めます。まずは地図・乗り換え検索のように何度も繰り返す一つの用事から、あなたの好みを短いSkillにしてみてください。
参考資料
あわせて読みたい:Gemini無料版の基本機能 / Gemini CLI