2月に「Sora超え」と話題になったByteDanceの動画生成AI「Seedance 2.0」。その後継の「Seedance 2.5」が2026年7月31日に発表されました。1回で作れる長さは最大30秒、渡せる参考素材は最大50点。気に入らない数秒だけを作り直せる部分編集にも対応しています。
- Seedance 2.5で2.0から何が変わったか(比較表つき)
- 日本からどこで使えるかと料金の見方(Dreamina・CapCut・企業向けAPI)
- Kling 4.0やGoogleの動画生成との違いと、第三者のランキングでの位置
- 仕事で使う前に確認したい権利・人物・商用利用の注意点
情報は2026年10月11日時点の、ByteDance Seed・BytePlus・Dreaminaの公式発表と資料にもとづきます。AQUAは実際の生成は行っておらず、公開情報をもとにまとめています。料金やプランは変わりやすいので、利用前に公式ページでご確認ください。
1. Seedance 2.5で何が変わった?
Seedance 2.5は、ByteDanceの研究部門「Seed」が開発した動画生成AIです。文章や画像、動画、音声をもとに、音声つきの動画を作ります。前のバージョンの2.0から大きく変わったのは、次の3つです。

① 1回で最大30秒。つなぎ合わせが減る
2.0では1回で作れるのは最大15秒でした。2.5では最大30秒になり、さらに延長して長くすることもできます。公式発表では、複数のカットを「起承転結」のある流れに組み立てられる点も強調されています。短い動画を何本もつなぐと、つなぎ目で人物の顔や服が変わってしまう「ぶれ」が起きがちでした。1本で長く作れることで、この手間が減ります。
② 参考素材は最大50点
渡せる参考素材は、画像30点・動画10点・音声10点の合計50点です。2.0(画像9・動画3・音声3の合計12点)の4倍以上になりました。登場人物の見た目、商品の写真、背景、声の雰囲気などをまとめて渡せるので、広告やシリーズものの動画で見た目をそろえやすくなります。
③ 秒単位の部分編集
完成した動画のうち、狙った数秒だけを映像も音声も作り直せるようになりました。グリーンバックのように背景を入れ替える編集や、カメラの向きを変える編集にも対応しています。「全体は良いのに、最後の3秒だけが惜しい」というときに、最初から作り直さなくて済みます。
| 項目 | Seedance 2.0(2026年2月) | Seedance 2.5(2026年7月) |
|---|---|---|
| 1回で作れる長さ | 4〜15秒 | 4〜30秒(延長も可能) |
| 参考素材 | 最大12点(画像9・動画3・音声3) | 最大50点(画像30・動画10・音声10) |
| 部分編集 | ― | 秒単位で映像・音声を作り直し |
| 音声 | 映像と同時に生成 | 映像と同時に生成。API資料では日本語を含む11言語に対応 |
| APIの出力(BytePlus) | 資料を参照 | 480p・720p・1080p(初期設定は720p) |
2. 日本からどこで使える? 料金は?
使い方は大きく2つです。手軽に試すならDreamina、自社のサービスやシステムに組み込むならBytePlusのAPIです。
個人・クリエイター向けByteDanceの画像・動画生成サービス。2.5は16歳以上の有料会員向けに、7月末から地域ごとに順次提供
ByteDanceの動画編集アプリ2.5の提供はCapCutの公式発表でも案内されている。地域ごとの提供状況はアプリで確認
企業向け(BytePlus)8月6日に提供開始。BytePlusの提供国一覧に日本も入っている
Dreaminaの料金
Dreaminaは月額プランとクレジット(生成に使うポイント)の仕組みです。発表時の資料では1秒あたり0.097ドルからとされていました。9〜10月には割引キャンペーンもありましたが、すでに終わっています。円での価格や1本あたりに使うクレジットは、地域や時期で変わるため、アプリ内の表示で確認するのが確実です。
企業向けAPIの料金
BytePlusのAPIでは、モデル名「dreamina-seedance-2-5-260628」として提供されています。料金は動画の量を表す「トークン」で計算され、100万トークンあたり、720pまでは6.40〜10.70ドル、1080pは7.0〜11.7ドルです(参考動画を入力するかどうかで変わります)。使い始めるには、30ドル以上の残高などの条件があります。
APIには、まず480pで下書きを作り、確認してから1080pで仕上げる「Draft」モードもあります。試行錯誤の費用を抑えたい制作の現場には、うれしい機能です。
3. ほかの動画生成AIとの違い
2026年10月時点で、Seedance 2.5と比べられることが多いのは次のサービスです。
| サービス | 1回の長さ | 特徴 |
|---|---|---|
| Seedance 2.5(ByteDance) | 最大30秒 | 参考素材50点、秒単位の部分編集、音声つき |
| Kling 4.0(Kuaishou) | 最大30秒 | 写真から動画を作る機能とキーフレームの指定が強み。詳しくはKling 4.0完全ガイド |
| Geminiアプリの動画生成(Google) | 最大10秒 | Veo 3.1の後継モデルを提供。音声つきで、見えない透かし「SynthID」が入る。日本でも利用可能 |
なお、OpenAIは2026年3月に動画生成サービス「Sora」の終了を発表しています。2月ごろまで「三強」と呼ばれた顔ぶれは、半年で大きく入れ替わりました。
第三者のランキングでは3位
AIの性能を比べるサイトArtificial Analysisの「音声つきの文章→動画」部門では、Seedance 2.5は3位(2026年10月11日時点、Elo 1143)です。1位はAlibabaのWan 3.0でした。人が見比べて投票する方式なので順位は日々動きますが、最上位の争いに入っているのは確かです。
4. 仕事で使う前に確認したい3つのこと
① 権利問題の経緯を知っておく
Seedance 2.0は公開直後、有名な映画やキャラクターによく似た動画が作れると問題になりました。米国の映画協会(MPA)は2月12日に声明を出し、2月20日には正式な警告の文書を送っています。ディズニーも警告書を送ったと報じられ、ByteDanceは安全対策の強化を表明しました。その後、8月17日にMPAとByteDanceが覚書を結び、Seedanceを含む生成サービスでの対策を進めることで合意しています。
仕組みは改善されつつありますが、他人の作品やキャラクターに似たものを作らないのは、使う側の責任です。
② 実在の人物の顔は、原則として使えない
BytePlusの資料では、実在の人物の顔を含む画像や動画は直接アップロードできないとされています。審査を受けた企業だけが、本人確認と肖像の使用許可を条件に例外として扱われます。代わりに1万体以上の「仮想の人物」の素材が用意されています。社員やタレントを登場させたい場合は、事前に条件を確認しましょう。
③ 商用利用の条件を必ず確認する
BytePlusのAPIで作った動画には、見える透かしと、AIで作ったことを示す来歴情報(C2PA)が付きます。一方、Dreaminaの利用規約には「サービスは原則として私的・非商用」という書き方があり、商用利用をはっきり認める条項は見当たりませんでした。広告や販売用の動画に使う場合は、プランの条件と規約を事前に確認するか、企業向けのAPI契約を検討してください。
勝負は「作る力」から「素材をそろえる力」へ
30秒を1回で作れて、参考素材を50点も渡せる。これは、動画の出来がAIの性能よりも、渡す素材の質と整理で決まる時代に入ったことを意味します。人物の見た目、商品の写真、ブランドの色や声。これらを「AIに渡せる形」で整えておく会社ほど、同じ道具からいい動画を作れます。
部分編集は、制作の「直し」のコストを下げる
仕事の動画づくりで一番時間がかかるのは、実は修正です。数秒だけを作り直せる機能は、「お客さまの修正依頼に、その日のうちに応える」ことを現実にします。AI動画が「試しに使うもの」から「仕事で回すもの」に変わる、大きな一歩だと考えています。
権利と顔の扱いは、最初に決める
便利になるほど、権利や肖像の問題は「作ってから気づく」では遅くなります。どの素材を使ってよいか、実在の人物を出すか、どの規約で使うか。作り始める前のルールづくりが、AI動画を安心して仕事に使うための一番の近道です。
AI動画を、仕事で使える形にしませんか
AQUAでは、SeedanceやKlingなどの動画生成AIを使った映像制作と、素材の整え方や権利のルールづくりまでを一緒に進めています。
まとめ
Seedance 2.5は、最大30秒・参考素材50点・秒単位の部分編集で、2.0から大きく進化しました。第三者のランキングでも最上位の争いに入っています。
一方で、画質の上限は使う場所で違い、実在の人物や商用利用には条件があります。何に使うかを決めてから、使う場所とプランを選ぶ。それが、Seedance 2.5を仕事で上手に使う一番のコツです。
- ByteDance Seed:Introducing Seedance 2.5(2026年7月31日)
- BytePlus:Dreamina Seedance 2.5 is Now Available on BytePlus
- BytePlus ModelArk:Seedance 2.5 技術資料(仕様・料金)
- BytePlus ModelArk:Seedance 2.0 技術資料
- BytePlus ModelArk:提供国・地域
- CapCut Newsroom:Dreamina Seedance 2.5の提供について(2026年7月31日)
- PR Newswire:Dreamina launches Seedance 2.5(2026年7月31日)
- Dreamina 利用規約
- MPA(米国映画協会):ByteDanceとの取り組みについて
- Variety:ByteDanceがSeedanceの安全対策強化を表明
- Artificial Analysis:Text to Video Leaderboard(2026年10月11日閲覧)
- Google:Geminiアプリの動画生成
- NBC News:OpenAIが動画生成サービスSoraを終了
画像について
- 見出し画像と図は、上記の公式資料をもとにAQUAが作成しました。