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バイブコーディング完全ガイド【2026年最新】|Claude Codeで始める”話すだけ開発”からAgentic Engineeringまで

2026年2月23日 39分で読める AQUA合同会社
バイブコーディング完全ガイド【2026年最新】|Claude Codeで始める”話すだけ開発”からAgentic Engineeringまで

この記事の内容

「こんなアプリが欲しい」と思ったことはありませんか? でも、プログラミングを学ぶ時間はない。外注すれば数十万円。そんな壁が、今まさに崩れつつあります。

バイブコーディング(Vibe Coding)——AIに自然言語で指示するだけでソフトウェアを作る、まったく新しい開発スタイルが2025年から爆発的に広がっています。元Tesla AI責任者のAndrej Karpathyが名付けたこの手法は、すでにCollins辞書の「2025年の言葉」候補にノミネートされ、GitHubのコード生成率は41%を突破しました。

しかし、「AIに丸投げすればOK」という甘い話ではありません。バイブコーディングで本番品質のプロダクトを作るには、正しいツール選び・プロンプト設計・品質管理の3つが不可欠です。

この記事では、バイブコーディングの定義と歴史から、実践的なツール選び・プロンプト設計・品質管理テクニック、そして最前線のAgentic Engineeringまでを徹底解説します。とくにClaude Codeを使った具体的なワークフローは、コマンド例やプロンプト例を豊富に含み、今日から実践できる再現性の高い内容です。

プログラミング未経験者から現役エンジニアまで、すべての読者がバイブコーディングを「正しく」始められるガイドを目指しました。初心者には「何から始めるべきか」を、経験者には「どう活用すれば生産性が最大化するか」を、それぞれ具体的に示します。

バイブコーディングとは?——AIと”会話”するだけでコードが生まれる時代

バイブコーディング(Vibe Coding)とは、開発者がコードを一行ずつ書く代わりに、AIに自然言語で意図(バイブ)を伝え、AIがコードを生成・実行・修正する開発手法です。

Andrej Karpathyの提唱

この概念を最初に名付けたのは、OpenAIの共同創設者でありTeslaのAI責任者を務めたAndrej Karpathyです。2025年2月、Karpathyは自身のXアカウントでこう投稿しました。

「新しいプログラミングを”バイブコーディング”と名付けた。AIに完全に身を委ね、コードの存在そのものを忘れ、ただバイブ(感覚)だけで進む。指数関数的に成長するLLMがコーディングを上手くなり、これが実際に機能するようになった」

Karpathyが強調したのは、「コードを理解する必要がなくなった」という革命的な変化です。従来のプログラミングでは、すべてのロジックを自分で設計し、すべての文法を正確に書く必要がありました。一つでもセミコロンが抜ければエラーになる厳格な世界でした。バイブコーディングでは、「何を作りたいか」を伝えるだけでAIがコードを生成します。

Collins辞書「2025年の言葉」候補

バイブコーディングの影響力は学術・文化の領域にも及んでいます。英語圏の権威あるCollins辞書は、2025年の「Word of the Year」候補として「vibe coding」をノミネートしました。これは、テクノロジー用語がこれほど短期間で一般語彙に浸透した稀有な事例です。

バイブコーディングの3つの本質

  • 自然言語ファースト——コードではなく、日本語や英語で意図を伝える
  • AIが主導——コードの生成・修正・テストをAIが実行し、人間はレビューに集中する
  • 反復的対話——一度で完璧を目指すのではなく、AIとの会話を繰り返して品質を高める

重要なのは、バイブコーディングは「プログラミングの終わり」ではないということです。むしろ、プログラミングの民主化——より多くの人がソフトウェア開発に参加できるようになる転換点です。

バイブコーディングの歴史——わずか1年で世界を変えた

バイブコーディングの歴史は驚くほど短いですが、その進化のスピードは目を見張るものがあります。

2023年以前: 前史——GitHub Copilotの登場(2021年)が最初の転換点でした。コード補完AIは便利でしたが、あくまで「人間が書くコードを補助する」ツールに過ぎませんでした。開発の主導権は完全に人間にありました。

2024年: 萌芽期——ChatGPTやClaudeの進化により、「AIにコード全体を書かせる」という発想が生まれました。しかしこの時点では、AIが生成したコードをコピー&ペーストして手動で統合する必要があり、ワークフローは非効率でした。CursorやContinueなどのAI統合IDEが登場し始めたのもこの時期です。

2025年2月: 命名と爆発——Andrej Karpathyが「Vibe Coding」と命名。この投稿は数日間でX上で1億インプレッションを超え、テック業界全体に衝撃を与えました。同時期にClaude Codeがリリースされ、「ターミナルからAIに開発を任せる」というまったく新しいパラダイムが確立されました。

2025年後半〜2026年: 主流化——企業の正式採用が相次ぎ、Collins辞書が「Word of the Year」候補に選出。Stack Overflowの年次調査では、回答者の76%が「何らかの形でAIコーディングツールを使用している」と報告しました。バイブコーディングは一過性のトレンドではなく、ソフトウェア開発の新しいスタンダードになりつつあります。

なぜ今爆発的に広がっているのか——数字で見るバイブコーディング革命

バイブコーディングが2025〜2026年に急速に普及した背景には、LLMの性能向上だけでなく、開発者エコシステム全体の構造変化があります。

市場規模と成長率

指標 数値 出典
AI コード生成市場規模(2025年) 約 32億ドル Grand View Research
同市場 CAGR(2025-2030) 24.9% Grand View Research
GitHub 上の AI 生成コード比率 41% GitHub Copilot調査 2025
Cursor ユーザー数(2025年末) 200万人超 Anysphere 公式発表
Claude Code 月間アクティブ開発者 100万人超 Anthropic 2025 Q4
バイブコーディング関連検索(Google Trends) 前年比 850% 増 Google Trends 2025/02-2026/02
非エンジニアによるアプリ公開数(Product Hunt) 前年比 320% 増 Product Hunt 年次レポート

爆発的普及の4つの要因

1. LLMの「コーディング知能」が臨界点を超えた

2024年後半から2025年にかけて、Claude 3.5 Sonnet → Claude 4 Sonnet → Claude 4.5 Sonnet/Opus と進化したAnthropicのモデルは、SWE-benchスコアを49% → 72.7%と大幅に向上させました。GPT-4oやGemini 2.5 Proも同様に飛躍し、「AIが書くコードが人間の平均を超える」時代に突入しました。

2. ターミナルネイティブなAIツールの登場

2025年のゲームチェンジャーはClaude Codeの登場です。従来のGUI型コード補完(GitHub Copilot等)とは異なり、ターミナルから直接ファイル操作・Git管理・テスト実行まで行えるエージェント型ツールが主流になりました。これにより、「プロンプトを書く → コードが生成される → 手動でコピペする」という非効率なワークフローが消滅しました。

3. 非エンジニアの参入障壁が消えた

Replit Agent、v0、Bolt.new、Lovableといったノーコード/ローコードAIツールにより、デザイナー・マーケター・経営者が自分のアイデアを直接プロトタイプ化できるようになりました。Product Huntでは、2025年に公開されたアプリの約34%が「非エンジニアによる開発」と自己申告しています。

4. 企業の正式採用が始まった

Google、Amazonをはじめとするテック大手が、社内開発ワークフローにAIコーディングツールを正式採用。Google Cloudは2025年10月、社内コードの25%以上がAIによって生成されていることを公表しました。Amazonも社内で独自のAIコーディングアシスタント「Amazon Q Developer」を展開し、数千人の開発者が日常的に利用しています。

日本市場での動向

日本でもバイブコーディングの波は確実に押し寄せています。経済産業省が2025年6月に公表した「DX白書2025」では、AI活用によるソフトウェア開発の生産性向上が重点テーマとして取り上げられました。

日本独自の動向として注目すべきポイントがいくつかあります。まず、SIer業界の変革です。従来のウォーターフォール型開発が主流だった日本のSIer業界でも、バイブコーディングの導入が始まっています。とくにプロトタイピングフェーズと単体テスト自動化の2領域で、大幅な工数削減が報告されています。

次に、スタートアップの増加です。バイブコーディングにより少人数での開発が現実的になったことで、エンジニア1〜2名のマイクロスタートアップが急増しています。2025年のIPA(情報処理推進機構)の調査では、創業3年以内のIT企業のうち68%が何らかのAIコーディングツールを利用していると報告されました。

さらに、教育現場への浸透も見逃せません。大学のプログラミング授業でAIコーディングツールの利用を「推奨」する教育機関が増加しています。「AIを使いこなす力」が新しいリテラシーとして認識され始めているのです。

従来の開発手法との違い——6つの軸で徹底比較

バイブコーディングは「従来のプログラミング」と何が違うのか? 6つの軸で比較します。

比較軸 従来のプログラミング バイブコーディング
入力 プログラミング言語(Python, JS等) 自然言語(日本語・英語)
主体 人間がすべてのロジックを設計・実装 AIが生成、人間がレビュー・指示
スキル要件 文法・アルゴリズム・設計パターンの深い理解 意図を明確に伝えるプロンプト力
開発速度 機能ごとに数時間〜数日 プロトタイプは数分〜数十分
デバッグ ログ・ブレークポイントで手動追跡 エラーをAIにコピペして修正依頼
品質管理 コードレビュー・テスト・CI/CD 同じ仕組み+AIによる自動テスト生成

誤解されがちなポイント

バイブコーディングは「プログラミング知識が不要になった」という意味ではありません。正確には、「プログラミング知識がなくても動くものは作れるが、本番品質には知識が必要」というのが現実です。

例えるなら、バイブコーディングは「自動運転車」に似ています。免許がなくても目的地には着けますが、緊急時にハンドルを握れる人のほうが安全に到達できます。

とくに以下の場面では、従来のプログラミング知識が大きなアドバンテージになります。

  • AIの生成したコードのレビュー——セキュリティホールやパフォーマンス問題を見抜ける
  • アーキテクチャ設計——AIは「目の前のタスク」は得意だが、システム全体の設計は人間の領域
  • エッジケースの対処——AIが見落としがちな境界条件を指摘できる
  • パフォーマンス最適化——O(n²)のアルゴリズムを生成しがちなAIに対して、より効率的な解法を指示できる
  • ドメイン知識の適用——業界固有のビジネスルールや規制要件はAIだけでは判断できない

「プログラミングを学ぶ必要はあるのか?」という問い

バイブコーディング時代に、果たしてプログラミングを学ぶ意味はあるのでしょうか。答えは「はい、ただしその意味合いが変わった」です。

従来は、プログラミングを学ぶ目的は「コードを書くため」でした。バイブコーディング時代では、プログラミングを学ぶ目的は「AIが書いたコードを理解し、正しい方向に導くため」に変わりました。英語で例えるなら、「文法を完璧に暗記する」から「ネイティブスピーカーと効果的にコミュニケーションする」に学習目標が変わったようなものです。

具体的には、以下のスキルがこれまで以上に重要になっています。

  • コードリーディング力——AIが生成したコードを素早く読んで問題を見抜く
  • 設計思考——システム全体のアーキテクチャを俯瞰して設計する
  • デバッグスキル——AIが解決できないバグの根本原因を突き止める
  • プロンプトエンジニアリング——AIに正確な指示を出すための言語化能力

バイブコーディングツール7選【2026年版】——特徴・料金・用途を徹底比較

2026年2月現在、バイブコーディングに使えるツールは急速に増えています。ここでは代表的な7ツールを「プロ向け」「万能型」「初心者向け」の3カテゴリに分けて紹介します。

ツール カテゴリ 特徴 料金(月額) 最適な用途
Claude Code プロ向け ターミナル型エージェント。ファイル操作・Git・テストを自律実行 従量課金(API) 本格開発・リファクタリング・CI/CD自動化
Cursor プロ向け VS Code フォーク。コード補完+Agent Mode搭載 $20 既存プロジェクトの開発・リアルタイム補完
Windsurf(Codeium) プロ向け Cascade機能で複数ファイル横断編集 $15 大規模コードベースのリファクタリング
Replit Agent 万能型 ブラウザ完結。環境構築からデプロイまでAIが実行 $25 プロトタイプ・学習・小規模Webアプリ
v0(Vercel) 万能型 プロンプトからReact UIを生成。Vercel直デプロイ $20 フロントエンド・LP・ダッシュボード
Bolt.new(StackBlitz) 初心者向け フルスタックアプリをブラウザ内で生成・実行 $20 アイデア検証・ハッカソン
Lovable 初心者向け 自然言語からWebアプリを生成。非エンジニア特化 $20 非エンジニアのプロトタイピング

どれを選ぶべきか?

プロのエンジニアが本番プロダクトを作るなら、Claude CodeまたはCursorが最有力です。とくにClaude Codeは、ターミナルから離れずにファイル編集・Git操作・テスト実行まで完結する唯一のエージェント型ツールであり、大規模プロジェクトのリファクタリングやCI/CD自動化で圧倒的な生産性を発揮します。

非エンジニアがアイデアを形にしたいなら、BoltまたはLovableから始めるのがおすすめです。環境構築やデプロイの知識が不要で、「こんなアプリが欲しい」と伝えるだけで動くプロトタイプが手に入ります。

詳しいClaude Codeの使い方は「Claude Code 初心者完全ガイド」で解説しています。

各ツールの詳細比較

Claude Codeは、Anthropicが開発したターミナルベースのAIコーディングエージェントです。最大の特徴は、コードの生成だけでなく、ファイルシステムの操作、Gitの管理、テストの実行、さらにはサブエージェントの並列実行まで、開発に必要なすべてのアクションをAIが自律的に行える点です。CLAUDE.mdファイルによるプロジェクト固有のルール設定、Hooksによるイベント駆動の自動処理、MCPによる外部ツール統合など、プロ向けの高度な機能を備えています。料金はAnthropicのAPI従量課金制で、使った分だけ支払います。

Cursorは、VS Codeをフォークして作られたAI統合エディタです。既存のVS Code拡張機能がそのまま使えるため、移行コストが低いのが魅力です。Agent Modeでは複数ファイルの横断編集が可能で、Tab補完とチャットの両方でAIを活用できます。月額$20のProプランが人気で、Claude、GPT-4o、Geminiなど複数のモデルを切り替えて使えます。

Replit Agentは、ブラウザだけで完結するクラウドIDEに搭載されたAIエージェントです。環境構築が不要で、「こんなアプリを作って」と伝えるだけで、フレームワークの選定からデプロイまでAIが一気通貫で実行します。教育用途やプロトタイピングに最適ですが、大規模な既存プロジェクトの編集には不向きです。

Bolt.newは、StackBlitz社が開発したブラウザ内AIアプリビルダーです。WebContainersテクノロジーにより、ブラウザ内でNode.jsが実行でき、生成されたアプリをリアルタイムでプレビューできます。ハッカソンやアイデアの素早い検証に威力を発揮します。

Claude Codeで始める5ステップ——インストールから本番品質まで

ここからは、バイブコーディングの最強ツールであるClaude Codeを使った具体的なワークフローを解説します。この5ステップを踏めば、今日からバイブコーディングを始められます。

ステップ1: インストール

Claude CodeはNode.js 18以上が必要です。ターミナルを開いて以下を実行します。

# Claude Code をグローバルインストール
npm install -g @anthropic-ai/claude-code

# インストール確認
claude --version

# 初回起動(API キーの設定が走る)
claude

初回起動時にAnthropicアカウントとの連携が求められます。APIキーはAnthropicコンソールから取得できます。詳しい手順はClaude Code初心者完全ガイドを参照してください。

ステップ2: プロジェクトの初期化

バイブコーディングの鍵はCLAUDE.mdファイルです。これはプロジェクトルートに置く「AIへの指示書」で、コーディング規約・アーキテクチャ・禁止事項を定義します。

# プロジェクトディレクトリに移動
cd ~/my-project

# CLAUDE.md を作成(Claude Codeに生成させることも可能)
claude "このプロジェクトのCLAUDE.mdを作成して。
TypeScript strict mode、ESLint/Prettier準拠、
テストはVitestを使用、コミットメッセージはConventional Commits形式で。"

CLAUDE.mdの存在が、バイブコーディングの品質を劇的に向上させます。AIは毎回このファイルを読み込み、プロジェクトのルールに従ったコードを生成するようになります。

CLAUDE.mdに書くべき内容は、以下の5カテゴリです。

  • コーディング規約——TypeScript strictモード、命名規則、ファイルサイズ上限、インデント方式など
  • アーキテクチャ——ディレクトリ構成、レイヤー間の依存関係、使用するデザインパターン
  • テスト方針——テストフレームワーク、カバレッジ目標、TDDの有無
  • セキュリティ——入力バリデーション、認証方式、秘密情報の管理方法
  • 禁止事項——AIがやりがちな「悪い慣行」を明示的に禁止する

ステップ3: 自然言語で開発を開始

ここからが本番のバイブコーディングです。Claude Codeに「何を作りたいか」を伝えます。

# 機能の追加
claude "ユーザー認証機能を追加して。
- メールアドレスとパスワードによるサインアップ/ログイン
- JWTトークンによるセッション管理
- パスワードリセット機能
- 入力バリデーションはZodで実装"

# バグ修正
claude "ログインページで送信ボタンを2回押すと重複リクエストが飛ぶバグを修正して。
ボタンのdisabled制御とAbortControllerでの重複防止を実装して。"

# リファクタリング
claude "src/utils/api.ts を見て、エラーハンドリングを統一的なパターンにリファクタリングして。
既存のテストが全部通ることも確認して。"

ポイントは、できるだけ具体的に指示することです。「認証機能を作って」より「JWTを使ったメール認証を作って」のほうが、AIの出力品質は格段に上がります。

プロンプトの良い例・悪い例

バイブコーディングの品質は、プロンプトの書き方で大きく変わります。以下に具体的な比較を示します。

悪いプロンプト 良いプロンプト 改善ポイント
「ログイン機能を作って」 「メール+パスワードのログイン機能をJWT認証で実装して。bcryptでハッシュ化、Zodでバリデーション、レート制限も追加して」 技術選定と要件を具体的に指定
「バグを直して」 「src/api/auth.ts:45行目でTypeError: Cannot read property ‘id’ of undefinedが出る。ユーザーが存在しない場合のnullチェックが抜けていると思う」 エラー箇所・メッセージ・仮説を提供
「もっと速くして」 「/api/postsのレスポンスが3秒かかる。N+1クエリが原因の可能性。JOINまたはDataLoaderパターンで最適化して」 計測値と解決アプローチを提示
「テストを書いて」 「auth.service.tsのlogin関数のテストを書いて。正常ログイン、パスワード不一致、存在しないユーザー、ロックアウト状態の4ケースをカバーして」 テスト対象とケースを具体的に列挙

ステップ4: レビューと修正のループ

AIが生成したコードをそのまま受け入れるのではなく、対話しながら品質を高めるのがバイブコーディングの本質です。

# 生成されたコードに対するフィードバック
claude "さっき作った認証機能を確認して:
1. SQLインジェクションの脆弱性はない?
2. パスワードハッシュはbcryptを使ってる?
3. レート制限は実装されてる?
問題があれば修正して。"

# テストの自動生成
claude "認証機能のテストを書いて。
正常系・異常系・エッジケースを含めて、カバレッジ90%以上を目指して。"

ステップ5: 品質保証とデプロイ

最後に、本番品質を担保するための品質チェックをClaude Codeに依頼します。

# 包括的な品質チェック
claude "プロジェクト全体をチェックして:
1. TypeScriptの型エラーがないか(tsc --noEmit)
2. ESLintの警告がないか
3. テストがすべてパスするか
4. セキュリティの脆弱性がないか
5. 未使用のimportや変数がないか
すべて修正して。"

この5ステップのワークフローの詳細は、「Claude Code 実践ワークフロー完全ガイド」でさらに深く解説しています。

失敗しない12のルール——バイブコーディングのベストプラクティス

バイブコーディングで失敗する人には共通のパターンがあります。ここでは、筆者の実践と業界のベストプラクティスから導き出した12のルールを紹介します。

# ルール 理由 具体例
1 CLAUDE.mdを必ず作る AIの一貫性を担保する唯一の手段 コーディング規約・禁止事項・テスト方針を定義
2 Gitコミットを細かく AIの変更が壊れた時にロールバックできる 機能単位で都度コミット
3 具体的に指示する 曖昧な指示はAIの解釈ブレを生む 「認証機能」→「JWT+bcryptでメール認証」
4 一度に1機能 複数機能を同時に頼むと品質が下がる 認証→プロフィール→設定と分割して依頼
5 生成コードは必ず読む AIは「動くが危険なコード」を書くことがある セキュリティ・パフォーマンスを目視チェック
6 テストを先に書かせる テスト駆動でAIの出力品質が向上する 「まずテストを書いて、それからImplement」
7 エラーはコピペで渡す エラーメッセージが最高のコンテキスト ターミナルのエラー全文をペースト
8 アーキテクチャは人間が決める AIは局所最適に陥りやすい ディレクトリ構成・DB設計は自分で決定
9 秘密情報をプロンプトに入れない APIキー等がモデルに送信される .envで管理し、CLAUDE.mdに「envから読む」と指示
10 依存関係を最小限にする AIは不要なパッケージを追加しがち 「新しいパッケージを追加する前に相談して」とルール化
11 差分を確認してからcommit 予期しない変更を防ぐ git diffで全変更を確認
12 定期的にリファクタリング AI生成コードは技術負債が溜まりやすい 週1回「コードの重複を見つけて整理して」

CLAUDE.md設定例

実際に効果的なCLAUDE.mdの設定例を紹介します。これをプロジェクトルートに置くだけで、AIの出力品質が大きく向上します。

# プロジェクトルール

## コーディング規約
- TypeScript strict mode 必須、any 型は禁止
- 関数は単一責任原則に従う
- ファイル1つあたり200行以内
- 命名: camelCase(変数・関数)、PascalCase(型・クラス)

## テスト
- すべての関数にユニットテストを作成
- テストフレームワーク: Vitest
- カバレッジ目標: 80%以上
- テストを書いてから実装する(TDD)

## セキュリティ
- APIキーは.envから読み込み、ハードコード禁止
- ユーザー入力は必ずZodでバリデーション
- SQLクエリはプリペアドステートメント必須

## Git
- コミットメッセージ: Conventional Commits 形式
- 1コミット1機能(混ぜない)
- 新しいパッケージを追加する前に必ず相談する

## 禁止事項
- console.log をデバッグ目的で残さない
- // TODO コメントを残さない(今解決する)
- テストなしでのコード変更は禁止

CLAUDE.mdの詳しい設計方法は「Claude Code 上級テクニック完全ガイド」で徹底解説しています。

限界と3つのリスク——バイブコーディングの「影」を知る

バイブコーディングの可能性は大きいですが、見過ごしてはいけないリスクも存在します。ここでは、特に重要な3つのリスクとその対策を解説します。

リスク1: セキュリティ脆弱性

AIが生成するコードには、人間が書くコードと同等——あるいはそれ以上——のセキュリティリスクが潜んでいます。

スタンフォード大学の研究(2024年)によれば、AIが生成したコードの約40%に何らかのセキュリティ脆弱性が含まれていたという報告があります。とくに以下の脆弱性が頻出します。

  • SQLインジェクション——文字列連結でクエリを組み立てるコードをAIが生成しやすい
  • XSS(クロスサイトスクリプティング)——ユーザー入力のサニタイズ漏れ
  • ハードコードされた秘密情報——APIキーやパスワードがコード内に埋め込まれる
  • 不適切な認証・認可——権限チェックの漏れや不十分なトークン検証

対策:

  • CLAUDE.mdにセキュリティルールを明記する
  • AIに「OWASPトップ10の脆弱性がないかチェックして」と明示的に依頼する
  • セキュリティスキャンツール(Snyk、GitHub Advanced Security等)をCI/CDに組み込む
  • 本番デプロイ前に人間によるセキュリティレビューを必須とする

リスク2: 技術負債の蓄積

バイブコーディングで急速に開発を進めると、技術負債が従来以上のスピードで蓄積するリスクがあります。

AIは「動くコード」を生成することには長けていますが、長期的な保守性を考慮した設計は苦手です。具体的には以下のような問題が発生しがちです。

  • コードの重複——AIは過去の会話コンテキストを忘れ、似たロジックを何度も生成する
  • 過剰な依存関係——AIは問題を解くために新しいパッケージを安易に追加する
  • 一貫性のないパターン——セッションが変わるとコーディングスタイルが変わることがある
  • 不要なコード——削除すべきコードが残り続ける

対策:

  • CLAUDE.mdでアーキテクチャパターンを厳密に定義する
  • 週1回のリファクタリングセッションを設ける
  • 「新しいパッケージを追加する前に既存の手段で実現できないか検討して」とルール化する
  • 定期的にコードメトリクス(複雑度、重複率)を計測する

リスク3: Slopsquatting(スロップスクワッティング)

2025年に新たに注目されたリスクがSlopsquattingです。これはAIが実在しないパッケージ名を「幻覚」で生成し、攻撃者がその名前で悪意あるパッケージを公開するという攻撃手法です。

Socket社の調査によると、主要なLLMが推薦するパッケージの約5.2%が実在しないことが判明しています。攻撃者はこの「幻覚パッケージ名」を先に登録し、マルウェアを仕込むのです。

対策:

  • AIが追加するパッケージは必ずnpm/PyPI公式ページで存在と信頼性を確認する
  • ロックファイル(package-lock.json等)の差分を慎重にレビューする
  • Socket.devなどの依存関係セキュリティツールを導入する
  • 「パッケージを追加する前に必ず確認を取る」ことをCLAUDE.mdに明記する

Agentic Engineeringとは——バイブコーディングの「次」

バイブコーディングが「AIと会話してコードを書く」なら、Agentic Engineering(エージェンティック・エンジニアリング)は「AIエージェントが自律的にソフトウェアを開発する」という次のステージです。

バイブコーディングからAgentic Engineeringへの進化

比較軸 バイブコーディング Agentic Engineering
人間の役割 プロンプトを書き、結果をレビュー ゴールを設定し、エージェントを監視
AIの自律性 1回の指示に対して1回の応答 複数ステップを自律的に計画・実行
ツール使用 コード生成が中心 ファイル操作・Git・テスト・デプロイまで自律実行
エラー対応 人間がエラーを伝えて修正依頼 AIが自らエラーを検知し、修正を試みる
代表ツール Copilot, Cursor, v0 Claude Code, Devin, OpenAI Codex
適した用途 小〜中規模の機能開発 大規模リファクタリング・CI/CD自動化・マルチファイル変更

Claude Codeが「エージェント」である理由

Claude Codeは、現時点で最もAgentic Engineeringに近いツールの一つです。その理由は以下の通りです。

  • 自律的なファイル操作——ファイルの読み書き・作成・削除をAIが判断して実行
  • Git統合——ブランチ作成、コミット、差分確認をAIが自律的に実行
  • テスト実行——テストを実行し、失敗したテストを自動で修正するループ
  • サブエージェント——複雑なタスクを複数のサブエージェントに分割して並列実行
  • Hooks——特定のイベント(コミット前、ファイル変更後等)に自動処理を登録
  • MCP(Model Context Protocol)——外部ツール(DB、API、ブラウザ等)との統合

これらの機能の詳細は「Claude Code 上級テクニック完全ガイド」で深く掘り下げています。

Agentic Engineeringの実践例

以下は、Claude Codeを使ったAgentic Engineeringの具体例です。

# 自律的なバグ修正
claude "CIが失敗している。ログを確認して、原因を特定し、
修正して、テストが通ることを確認して、コミットして。"

# 大規模リファクタリング
claude "src/以下のすべてのAPIハンドラーで、
エラーハンドリングを統一パターンに書き換えて。
各ファイルの変更後にテストを実行して、
全部通ったらコミットして。"

# CI/CD パイプラインの構築
claude "GitHub Actionsのワークフローを作成して。
push時にlint→テスト→ビルド→デプロイの
パイプラインを構成して。"

バイブコーディングが「AIとの対話」だとすれば、Agentic Engineeringは「AIへの権限委譲」です。人間はゴールを設定し、AIがそのゴールに向かって自律的に作業を進めます。

Agentic Engineeringの成熟度モデル

Agentic Engineeringは一夜にして実現するものではありません。以下の4段階で段階的に導入するのが現実的です。

レベル1: コード補完(Copilot段階)——AIが次に書くべきコードを予測・提案。人間は提案を「承認」または「却下」するだけ。これは2023年から広く普及している段階です。

レベル2: 対話型生成(バイブコーディング段階)——自然言語で機能を指示し、AIがコードブロック全体を生成。人間はレビューしてフィードバックを返す。2025年現在、多くの開発者がこの段階にいます。

レベル3: 自律タスク実行(Agentic段階)——AIがファイル操作・テスト実行・Git管理まで自律的に遂行。人間は目標設定と最終レビューに集中。Claude Codeの登場により、この段階に到達する開発者が増えています。

レベル4: マルチエージェント協調(未来段階)——複数のAIエージェントが役割分担して大規模プロジェクトを開発。設計エージェント、実装エージェント、テストエージェント、デプロイエージェントが自律的に協調して動作します。一部の先進的なチームがすでに実験を始めていますが、本格的な普及は2026年後半〜2027年と予想されます。

【上級】Agentic Engineering用 CLAUDE.md設定例

前述の「失敗しない12のルール」セクションでは、初心者〜中級者向けの基本的なCLAUDE.md設定例を紹介しました。ここでは、Agentic Engineeringを本格的に実践するための上級CLAUDE.mdを紹介します。

この設定の最大の特徴は、Claude Codeを「マネージャー兼オーケストレーター」として定義し、サブエージェントへのタスク委託をPDCAサイクルで回す点です。人間は最上位のゴールを設定するだけで、AIが自律的にタスクを分解・実行・検証・改善していきます。

# CLAUDE.md — Manager & Agent Orchestrator

## 基本原則

あなたは**マネージャー兼エージェントオーケストレーター**である。
自ら実装コードを書くことは一切禁止。すべての作業はsubagentまたはtask agentに委託すること。

## ロール定義

### あなた(Manager Agent)の責務
- タスクの分析・分解・優先順位付け
- subagentへの作業指示と進捗管理
- 品質レビューとフィードバック
- PDCAサイクル全体の統括

### やってはいけないこと
- コードの直接実装・編集
- ファイルの直接作成(指示書・設計書を除く)
- subagentを介さないタスク実行

## タスク分解ルール

1. **超細分化**: 1つのsubagentタスクは単一責務とする。「〇〇して、ついでに△△も」は禁止
2. **明確な完了条件**: 各タスクにDone条件(受け入れ基準)を必ず定義する
3. **依存関係の明示**: タスク間の前後関係・依存を明記する
4. **見積もり**: 各タスクの想定規模(S/M/L)を付与する

## PDCAサイクル

すべての作業は以下のサイクルで進行する:

### Plan(計画)
- ユーザー要件を分析し、タスクリストを作成
- 各タスクの担当subagent・完了条件・依存関係を定義
- 実行順序とマイルストーンを設定

### Do(実行)
- タスクごとにsubagentを起動し、明確な指示を与える
- 指示には以下を含めること:
  - 目的(なぜこのタスクが必要か)
  - 入力(前提条件・依存タスクの成果物)
  - 期待する出力(ファイル名・形式・内容)
  - 制約(使用技術・コーディング規約など)

### Check(検証)
- subagentの成果物をレビュー
- 完了条件を満たしているか確認
- 問題があれば具体的なフィードバックを記録

### Act(改善)
- 問題点に基づきタスクを再定義または追加タスクを発行
- 繰り返し発生する問題はプロセス自体を改善
- 学んだ教訓を以降のタスク指示に反映

## subagentへの指示テンプレート

```
## タスク: [タスク名]
- 目的: ...
- 入力: ...
- 期待する出力: ...
- 完了条件: ...
- 制約: ...
```

## 進捗報告フォーマット

各フェーズの完了時にユーザーへ以下を報告すること:
- 完了タスク一覧と結果サマリ
- 検出された問題と対応状況
- 次フェーズの計画
- リスク・懸念事項(あれば)

この上級CLAUDE.mdのポイントは3つあります。

  • Manager/Worker分離——Claude Code本体は「考える・指示する・レビューする」に徹し、実装はすべてサブエージェントに委託。これにより、メインのコンテキストウィンドウが実装の詳細で埋まらず、プロジェクト全体の俯瞰を維持できます
  • PDCAの強制——Plan→Do→Check→Actのサイクルを明示的にルール化することで、「AIが勝手に突っ走って壊す」リスクを大幅に軽減。各フェーズで人間が介入するポイントを設けられます
  • タスクの超細分化——「1サブエージェント=1タスク」を厳守することで、問題が発生した際の影響範囲を最小化。失敗したタスクだけをやり直せるため、大規模プロジェクトでも安定した品質を保てます

基本のCLAUDE.mdから始めて、Agentic Engineeringに慣れてきたらこの上級版に移行する——という段階的なアプローチがおすすめです。

使い分けガイド——プロジェクト規模別の判断マトリクス

「結局、自分のプロジェクトにはどのアプローチが最適なの?」——この疑問に答えるための判断マトリクスを用意しました。

プロジェクト規模 推奨アプローチ 推奨ツール AIの関与度 注意点
プロトタイプ(1日で作る) フルバイブコーディング Bolt / Lovable / v0 90%以上 本番利用前にセキュリティレビュー必須
個人プロジェクト(1週間〜) バイブコーディング Claude Code / Cursor 70-80% CLAUDE.md必須、週1リファクタリング
チーム開発(複数人) ハイブリッド Claude Code + Cursor 50-60% コードレビュー体制、一貫したルール
エンタープライズ(大規模) Agentic Engineering Claude Code + CI/CD連携 40-50% セキュリティ・コンプライアンス最優先
レガシー改修(既存大規模コード) 慎重なAI活用 Claude Code 30-40% 影響範囲の限定、段階的導入

判断のポイント

AIの関与度を上げてよい条件:

  • グリーンフィールド(新規プロジェクト)であること
  • セキュリティ要件が相対的に低い(社内ツール等)
  • プロトタイプ段階で、本番品質はまだ求められない
  • 一人で開発しており、コードレビューの工数を削減したい

AIの関与度を下げるべき条件:

  • 金融・医療・セキュリティが重要なドメイン
  • 既存の大規模コードベースを修正する場合
  • 複数人でのチーム開発でコードの一貫性が重要な場合
  • 規制やコンプライアンスの厳しい環境

成功事例5選——バイブコーディングで何が実現できたのか

理論だけではイメージしにくいかもしれません。ここでは、バイブコーディングを活用した実在の成功事例を5つ紹介し、それぞれの学びを解説します。

事例1: 非エンジニアのスタートアップ創業者がMVPを構築

サンフランシスコのスタートアップ創業者(非エンジニア)が、Bolt.newとClaude Codeを組み合わせて2週間でSaaS製品のMVPを構築。従来なら外注に3ヶ月・500万円かかる規模のプロダクトを、AIツールへの月額投資だけで実現しました。

学び: プロトタイプはバイブコーディングで十分。ただし、ユーザーが増えた段階でプロのエンジニアによるリファクタリングを実施した。バイブコーディングで素早くMVPを作り、市場の反応を見てから本格投資するという「リーンスタートアップ」の考え方と非常に相性が良い。

事例2: フリーランスエンジニアが開発速度を3倍に

日本のフリーランスエンジニアが、Claude Codeを導入後に月間の請負案件数を2件→6件に増加。とくにCRUDアプリケーションの定型作業が大幅に短縮され、設計・レビュー・クライアントコミュニケーションに時間を振り向けられるようになりました。

学び: バイブコーディングは「仕事を奪う」のではなく、「付加価値の低い作業を自動化」して高付加価値の仕事に集中させる。エンジニアの収入アップにつながる。重要なのは、「AIが書けるコード」と「人間にしかできない仕事」を明確に区別し、自分の時間を後者に集中させること。クライアントとの要件定義、ユーザーヒアリング、プロジェクト管理などは依然として人間の領域であり、ここに時間を投資することで単価も上がる。

事例3: 教育系スタートアップが学習プラットフォームを構築

教育系スタートアップのCTO(エンジニア歴3年)が、Claude Codeを使ってリアルタイムのインタラクティブ学習プラットフォームを3人チームで開発。WebSocket通信、リアルタイムコラボレーション、管理ダッシュボードを含む本格的なフルスタックアプリケーションを4ヶ月で本番リリースしました。

学び: CLAUDE.mdの設計が鍵。アーキテクチャ決定とセキュリティレビューは人間が担当し、実装のスピードアップにAIを活用するハイブリッドアプローチが有効。チーム全員がCLAUDE.mdのルールを理解し、AIが生成するコードの一貫性を保つことが、チーム開発におけるバイブコーディング成功の最大のポイントである。

事例4: 大企業のレガシーコード移行

日本の大手SIerが、20年以上運用しているJavaのレガシーシステムの一部モジュールをTypeScriptに移行するプロジェクトでClaude Codeを活用。手作業では6ヶ月と見積もられていた移行作業を2ヶ月で完了しました。

学び: レガシーコードの「理解」にAIが非常に有効。古いコードの意図を解析し、モダンなパターンに書き換える作業はAIの得意分野。ただし、ビジネスロジックの正確性は人間が検証した。レガシーコード移行プロジェクトでは、まずAIに「このコードが何をしているか説明して」と依頼し、ドキュメント化してから移行作業に入るのが効果的。ドキュメントが存在しない古いシステムの「考古学」にAIは驚くほど強い。

事例5: オープンソースプロジェクトのメンテナンス効率化

人気オープンソースライブラリ(GitHub Stars 5,000+)のメンテナーが、Claude CodeとGitHub Actionsを連携させてイシューの自動トリアージとPRの自動レビューを実現。メンテナンスにかかる週間労働時間を20時間→8時間に削減しました。

学び: Agentic Engineeringの真価は「繰り返し作業の自動化」にある。CI/CDとの統合により、人間は設計判断とコミュニティ運営に集中できるようになった。

事例から見える5つの共通パターン

上記5つの事例に共通するパターンを整理すると、バイブコーディングで成功するための方程式が見えてきます。

  • 段階的導入——いきなり全面的にAIに任せるのではなく、小さなタスクから始めて徐々にスコープを広げている
  • 人間の判断を残す——アーキテクチャ設計、セキュリティレビュー、ビジネスロジックの検証は人間が担当
  • ルールの明文化——CLAUDE.mdやコーディング規約で、AIの行動範囲を明確に定義している
  • 品質ゲートの設置——CI/CD、自動テスト、セキュリティスキャンなど、AIが生成したコードを検証する仕組みを必ず組み込んでいる
  • 継続的な改善——一度作って終わりではなく、定期的なリファクタリングとルール更新を行っている

2026年ロードマップ——6ヶ月でバイブコーディングをマスターする

「何から始めればいいの?」という方のために、6ヶ月間のステップバイステップ学習計画を用意しました。


バイブコーディング 6ヶ月マスタープラン Month 1: 基礎固め ・Claude Codeインストール & 初期設定 ・簡単なCLIツール/スクリプトを作成 1 Month 2: Web開発入門 ・React/Next.jsで個人サイト構築 ・CLAUDE.mdの設計と運用 2 Month 3: フルスタック ・DB連携のCRUDアプリ開発 ・認証・API設計・テスト自動化 3 Month 4: 品質とセキュリティ ・CI/CD構築・セキュリティレビュー ・リファクタリングの習慣化 4 Month 5: Agentic Engineering ・Hooks & サブエージェント活用 ・MCP連携で外部ツール統合 5 Month 6: 収益化 & 発信 ・SaaSプロダクトの開発 & リリース ・フリーランス案件 / ブログ発信 6

各月の詳細

Month 1(基礎固め): Claude Codeをインストールし、まずはシンプルなスクリプトやCLIツールを作ることから始めます。プログラミング未経験者は、「ファイルを整理するスクリプト」「簡単な計算ツール」など、日常の小さな課題を解決するところからスタートしましょう。ゴールはAIとの対話に慣れることです。

Month 2(Web開発入門): React/Next.jsで個人サイトやブログを構築します。CLAUDE.mdを設計し、AIに一貫したコードを書かせる訓練を行います。このフェーズで「良いプロンプト」と「悪いプロンプト」の違いを体感できるようになります。

Month 3(フルスタック開発): データベースを使ったCRUDアプリケーションを構築。認証、API設計、Zodバリデーション、テスト自動化まで一通り経験します。ここで「バイブコーディングだけでは足りない」ケースに直面し、従来の知識との組み合わせの重要性を実感するでしょう。

Month 4(品質とセキュリティ): CI/CDパイプラインの構築、セキュリティレビューの実施、定期的なリファクタリングの習慣化。このフェーズで「本番品質」のラインを理解します。Claude Codeの実践ワークフローを本格的に回し始めるタイミングです。

Month 5(Agentic Engineering): Claude CodeのHooks、サブエージェント、MCPを活用した高度な自動化に挑戦。複数ファイルの一括修正、CI/CDとの統合、外部APIとの連携など、Agentic Engineeringの世界に足を踏み入れます。

Month 6(収益化と発信): ここまでのスキルを活かして、SaaSプロダクトの開発・リリース、フリーランス案件の獲得、技術ブログでの発信を開始します。バイブコーディングのスキルを実際の収益に変換するフェーズです。Claude Codeで稼ぐ具体的な方法は「Claude Codeで稼ぐ完全ガイド」で詳しく解説しています。

よくある質問(FAQ)

Q: プログラミング完全未経験でもバイブコーディングはできますか?

A: はい、始めることはできます。BoltやLovableなどのツールを使えば、プログラミング知識ゼロでもプロトタイプを作れます。ただし、本番品質のプロダクトを作るには、最低限のプログラミング概念(変数、関数、API、データベース)の理解が必要です。バイブコーディングを「きっかけ」にプログラミングの基礎を学ぶことをおすすめします。Month 1〜2でAIと対話しながら自然に基礎知識が身につく方も多いです。

Q: バイブコーディングでエンジニアの仕事はなくなりますか?

A: なくなりません。むしろ、エンジニアの価値は上がります。AIが定型的なコード生成を担当することで、エンジニアは「何を作るか」「どう設計するか」「品質をどう担保するか」という高付加価値の仕事に集中できるようになります。電卓が登場しても数学者の仕事がなくならなかったように、バイブコーディングはエンジニアの「道具」が進化しただけです。AIを使いこなせるエンジニアの需要はむしろ急増しています。

Q: Claude CodeとCursorはどちらを使うべきですか?

A: 併用がベストですが、一つ選ぶならClaude Codeです。Claude Codeはターミナルベースのエージェントで、ファイル操作・Git・テストまで自律実行できます。Cursorはエディタ統合型で、リアルタイムのコード補完が強みです。新規プロジェクトの立ち上げや大規模リファクタリングにはClaude Code、日常的なコーディングにはCursorという使い分けが理想です。多くのプロ開発者は両方を場面に応じて切り替えています。

Q: バイブコーディングで作ったコードのセキュリティは大丈夫ですか?

A: 対策を講じなければ危険です。AI生成コードには人間が書くコードと同等以上のセキュリティリスクがあります。本記事の「限界と3つのリスク」セクションで解説した対策——CLAUDE.mdでのセキュリティルール明記、OWASPチェックの依頼、セキュリティスキャンツールのCI/CD組み込み——を必ず実施してください。

Q: バイブコーディングの費用はどのくらいかかりますか?

A: 月額$20〜$100程度です。Claude CodeはAPI従量課金制で、個人開発者の場合は月$20〜$50程度が一般的です。Cursorは月$20の固定料金。Bolt.newやLovableも月$20前後です。外注に比べれば圧倒的に安く、エンジニアの人件費と比較しても投資対効果は非常に高いです。まずは無料枠やトライアルで試してから、有料プランに移行することをおすすめします。

まとめ——バイブコーディングは「手段」であり「目的」ではない

この記事では、バイブコーディングの定義・市場動向・実践テクニック・リスク・そして未来のAgentic Engineeringまでを包括的に解説しました。

この記事の要点

  • バイブコーディングは、AIに自然言語で指示してソフトウェアを開発する手法。Andrej Karpathyが2025年2月に提唱した
  • 2026年現在、GitHub上のコードの41%がAI生成。市場規模は年率25%で成長中
  • ツール選びが重要。本格開発にはClaude Code、プロトタイプにはBolt/Lovableが最適
  • CLAUDE.mdの設計が品質を左右する。コーディング規約・セキュリティルール・テスト方針を明記すべし
  • 3大リスク(セキュリティ脆弱性・技術負債・Slopsquatting)を理解し、対策を講じる
  • 次の進化形であるAgentic Engineeringでは、AIが自律的に開発タスクを遂行する
  • バイブコーディングは「プログラミングの終わり」ではなく、プログラミングの民主化である

最も大切なこと

バイブコーディングは強力なツールですが、それ自体が目的ではありません。「何を作るか」「誰のために作るか」「なぜそれが必要なのか」という本質的な問いは、AIには答えられません。テクノロジーの力を借りて、あなた自身のアイデアとビジョンを形にすること——それこそがバイブコーディングの真の価値であり、人間にしかできない創造行為です。

まずは今日、ターミナルを開いてClaude Codeをインストールすることから始めてみてください。きっと、ソフトウェア開発の新しい可能性に出会えるはずです。

次のアクション

バイブコーディングを始める最初の一歩は、驚くほど簡単です。以下の3つのアクションを、今日中に実行してみてください。

アクション1: Claude Codeをインストールする(5分)
ターミナルで npm install -g @anthropic-ai/claude-code を実行するだけです。Node.js 18以上がインストールされていれば、すぐに使い始められます。

アクション2: 最初のプロジェクトを作る(30分)
既存のアイデアでなくても構いません。「TODOアプリ」「天気予報表示ツール」「ファイル整理スクリプト」など、シンプルなものから始めましょう。Claude Codeに「〇〇を作って」と伝えるだけです。

アクション3: CLAUDE.mdを書く(15分)
作ったプロジェクトにCLAUDE.mdファイルを追加してみましょう。最初は本記事で紹介した設定例をコピーするだけでもOKです。CLAUDE.mdがあるプロジェクトとないプロジェクトで、AIの出力品質がどれだけ違うか体感してみてください。

バイブコーディングの世界は、始めてみると驚くほど広がりがあります。最初の一歩を踏み出したあなたの前には、コードを「書く」のではなく「導く」という、ソフトウェア開発のまったく新しい地平が広がっています。2026年は、バイブコーディングを始める最高のタイミングです。

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