「Claude CodeとCodex、結局どっちを選べばいいの?」
2026年、AIコーディングツールの二大巨頭であるAnthropic Claude CodeとOpenAI Codex CLI。どちらもプロダクションレベルの実力を持つが、設計思想・料金体系・得意分野が明確に異なる。
本記事では、最新ベンチマークによる客観比較、基本スペックの違い、そして同じタスクを同時に実行した実機検証の結果を交えて、選び方を徹底解説する。
目次
- 結論:用途別おすすめ早見表
- 基本スペック比較
- 2026年最新ベンチマーク
- 【実機検証】検証環境
- 【実機検証】検証方法
- 【実機検証】速度比較
- 【実機検証】作業プロセスの違い
- 【実機検証】出力コードの品質
- 【実機検証】生成されたアニメーション
- 総合評価
- どちらを選ぶべきか
- まとめ
結論:用途別おすすめ早見表
まず結論から。用途別の最適な選択肢はこちら。
| 用途・重視するポイント | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| コスパ重視 | Codex | ChatGPT Plus(月額3,000円)に含まれる |
| コード品質・型安全性 | Claude Code | TypeScript自動チェック、詳細な説明 |
| 大規模プロジェクト | Claude Code | 200Kトークンのコンテキストウィンドウ |
| 並列タスク処理 | Codex | クラウドサンドボックスで複数タスク同時実行 |
| 日本語での対話 | Claude Code | 終始日本語で応答(実機検証で確認済み) |
| DevOps・インフラ | Claude Code | Terminal-Benchで11.7ポイントの優位 |
| CI/CDパイプライン統合 | Codex | 非対話モード(exec)対応・サンドボックス環境 |
| カスタマイズ性 | 両方◎ | Claude Code: Hooks / Codex: オープンソース |
| ChatGPT Plusを契約済み | Codex | 追加費用なしで利用可能 |
一言でまとめると:
品質・日本語対応・透明性を重視するならClaude Code。コスパ・並列処理・CI/CD統合を重視するならCodex。
以下で、スペック・ベンチマーク・実機検証の3つの観点から詳しく解説する。
基本スペック比較
両ツールの基本スペックを比較する。
| 項目 | Claude Code | Codex CLI |
|---|---|---|
| 開発元 | Anthropic | OpenAI |
| 使用モデル | Claude Opus 4.5 / Sonnet 4.5 | GPT-5.2-Codex |
| 実行環境 | ローカル(デフォルト)+ Web版 | ローカル + クラウドサンドボックス |
| ソースコード | クローズドソース | オープンソース(Rust製・GitHub公開) |
| コンテキスト | 200Kトークン(Opus 4.5) | コンパクション機能で長大セッション対応 |
| サンドボックス | なし(ローカル実行) | macOS Seatbelt / Linux Landlock対応 |
| 対応OS | macOS / Linux | macOS / Linux / Windows |
主要機能の比較
| 機能 | Claude Code | Codex CLI |
|---|---|---|
| Hooks(自動化トリガー) | ◎ 8種のイベントフック | — |
| Skills(拡張スキル) | ◎ | ◎ |
| Subagents(サブエージェント) | ◎ | — |
| MCP対応 | ◎ | ◎(MCP Serverとしても動作可) |
| Planモード | ◎ | — |
| Rewind(巻き戻し) | ◎ | — |
| Cloud Tasks(クラウド実行) | Web版で対応 | ◎(codex cloud コマンド) |
| 非対話モード | — | ◎(codex exec) |
| Session Resume | ◎ | ◎ |
| CLAUDE.md / 設定ファイル | ◎ | codex.md対応 |
設計思想の違い
Claude Code = 対話型のシニアエンジニア
ローカル環境で動作し、プロジェクト全体を読み込んで理解した上で、開発者と対話しながら作業を進める。作業プロセスが透明で、各ステップで何をしているか日本語で説明してくれる。Hooks・Subagents・Planモードなど、ワークフロー制御の機能が豊富。
Codex = タスクを任せられるクラウドワーカー
クラウドサンドボックスで複数タスクを並列実行できるのが最大の強み。CLI・Web・IDEの3つのインターフェースを持ち、非対話モード(exec)でCI/CDパイプラインにも組み込める。オープンソースのため、内部動作の確認やカスタマイズも自由。
2026年最新ベンチマーク
客観的な性能比較として、主要なベンチマークスコアを確認する。
SWE-bench Verified(実世界のコーディング問題500問)
SWE-bench Verifiedは、GitHubの実際のIssueを解決できるかを測定するベンチマークで、AIコーディングツールの性能指標として広く使われている。
| エージェントシステム | スコア | 正解数 |
|---|---|---|
| Claude Code(Opus 4.5) | 80.9% | 500問中405問 |
| Codex(GPT-5.2 Thinking) | 80.0% | 500問中400問 |
補足:0.9ポイントの差は、500問の二項分布で推定すると統計的に有意とは言えない。両ツールのコーディング能力はほぼ同等と考えるのが妥当だ。
なお、SWE-benchのスコアはモデル単体ではなく、エージェントシステム全体(プロンプト設計・ツール連携・メモリ管理等を含む)の性能を反映している点に留意が必要。
Terminal-Bench(DevOps・インフラ系タスク)
Terminal-Benchは、コマンドライン操作やDevOpsワークフローの遂行能力を測定するベンチマーク。
| ツール | スコア | 差 |
|---|---|---|
| Claude Code | 59.3% | 11.7pt差 |
| Codex | 47.6% |
DevOpsやインフラ管理のタスクでは、Claude Codeが11.7ポイントの明確な優位性を示している。サーバー管理やCI/CD構築を多用するチームにとって、この差は判断材料になる。
ベンチマークまとめ
- コーディング全般(SWE-bench):ほぼ互角(80.9% vs 80.0%)
- DevOps・インフラ(Terminal-Bench):Claude Codeが優位(59.3% vs 47.6%)
ベンチマークは参考指標であり、実際の開発体験とは異なる場合がある。次のセクションでは、実際に同じタスクを同時実行した実機検証の結果を紹介する。
ここからは実機検証パート
スペック表やベンチマークだけではわからない「実際の使用感」を検証する。Claude CodeとCodexに同じタスクを同時に投げて、速度・作業プロセス・出力品質を比較した。
1. 検証環境
今回の検証で使用した環境は以下の通り。
ツールのバージョン
| 項目 | Claude Code | OpenAI Codex |
|---|---|---|
| バージョン | v2.1.15 | v0.88.0 |
| 使用モデル | Claude Opus 4.5 | GPT-5.2-Codex |
| プラン | Claude Max | ChatGPT Plus |
| 検証日 | 2026年1月23日 | |
テスト環境
- マシン:MacBook Pro(M4 Max)
- プロジェクト:Remotion(React動画生成フレームワーク)
- タスク:ローディングアニメーションコンポーネントの新規作成
2. 検証方法
公平な比較のため、以下の条件で検証を行った。
検証条件
- 同じプロジェクトを使用(Remotionプロジェクト)
- 同じプロンプトを同時に投げる
- 同じディレクトリで実行
- 両方のターミナルを並べて同時に観察
投げたプロンプト
cd ~/Projects/ai-video/remotion
ローディングアニメーションのコンポーネントを追加して
このシンプルな指示を、両ツールに同時に送信した。
3. 検証結果:速度比較
まず最も注目すべき結果から。
| ツール | 完了時間 | 差 |
|---|---|---|
| Claude Code | 1分2秒 | 26秒差 |
| Codex | 1分28秒 |
驚きの結果:Claude Codeの方が26秒も速かった
「Codexは速い」という定説は、少なくともこの検証では覆された。
4. 検証結果:作業プロセスの違い
両ツールの作業プロセスには、明確な違いが見られた。
Claude Codeの作業プロセス
ls -laでプロジェクト構造を確認findで既存のTSXファイルを探索- Root.tsxとLogo.tsxを読み込み(2ファイル)
- 「プロジェクトの構造を理解しました」と日本語で報告
- mkdir実行前に許可を求める
- コンポーネント作成
- tsc –noEmitでTypeScriptエラーチェック
- 詳細な説明(機能、プロパティ、プレビュー方法)を日本語で出力
Codexの作業プロセス
lsとrg --filesでファイル一覧取得- Root.tsx、index.ts、Epic.tsx、MysticalForest.tsxを読み込み(4ファイル)
- 「Planning loading animation component」と英語で思考中表示
- 既存コードのパターン(zodスキーマ)を学習
- ファイル作成前に許可を求める
- 最後に日本語で簡潔なサマリーを出力
プロセス比較表
| 項目 | Claude Code | Codex |
|---|---|---|
| 応答言語 | 終始日本語 | 作業中は英語、最後だけ日本語 |
| 読んだファイル数 | 2ファイル | 4ファイル |
| 許可確認 | あり | あり |
| TypeScriptチェック | 自動実行 | なし |
| 説明の詳しさ | 詳細(プロパティ一覧まで) | 簡潔 |
| 透明性 | 高い | ブラックボックス感あり |
5. 検証結果:出力コードの品質
ファイル構成
| 項目 | Claude Code | Codex |
|---|---|---|
| ファイル構成 | src/LoadingAnimation/index.tsx (ディレクトリ形式) |
src/LoadingAnimation.tsx (単一ファイル) |
| コード行数 | 113行 | 120行 |
| コンポーネント構成 | Dotコンポーネントを分離 | 単一コンポーネント |
アニメーション設計の違い
Claude Code版:
- 8個のドットが円形に配置
- 各ドットがパルスしながら全体が回転
- カスタマイズ可能:dotColor, backgroundColor, dotCount(3〜12), size
Codex版:
- 12セグメントのリング
- トレイリング効果(残像)付き
- 「Loading…」のパルスするラベル付き
- カスタマイズ可能:label, accentColor, backgroundColor
6. 検証結果:生成されたアニメーション
実際に生成されたアニメーションを動画で比較した。
Claude Code版
滑らかなパルス回転。プロフェッショナルな印象
Codex版
トレイリング効果とラベル付き。機能的だが動きがやや硬い
デザイン評価
| 項目 | Claude Code | Codex |
|---|---|---|
| 滑らかさ | ◎ 非常に滑らか | △ やや硬い |
| デザイン | ◎ プロクオリティ | ○ 機能的 |
| 動画サイズ | 183KB(90フレーム) | 320KB(120フレーム) |
7. 総合評価
全ての検証結果をまとめると、以下のようになる。
| 評価項目 | Claude Code | Codex | 勝者 |
|---|---|---|---|
| 速度 | 1分2秒 | 1分28秒 | Claude Code |
| 説明の丁寧さ | 詳細・日本語 | 簡潔 | Claude Code |
| 許可確認 | あり | あり | 引き分け |
| 品質チェック | tsc自動実行 | なし | Claude Code |
| 出力デザイン | プロクオリティ | 機能的 | Claude Code |
| コード探索 | 2ファイル | 4ファイル | Codex |
検証結果:6項目中4項目でClaude Codeが勝利
Codexが勝ったのは「コード探索の深さ」のみ。許可確認は両方とも実装されており引き分け。結果的にはより多くのファイルを読んでも、速度で負け、出力品質でも負けた。
8. どちらを選ぶべきか
Claude Codeを選ぶべき人
- プロダクション品質のコードが必要な人
- AIの動作を透明に把握したい人
- 日本語でのコミュニケーションを重視する人
- 型安全性を重視する人(tsc自動チェック)
- 型安全性など品質チェックを自動で行いたい人
Codexを選ぶべき人
- 既存コードベースのパターンを深く学習させたい人
- ChatGPT Plusを既に契約している人(追加コストなし)
- 既にOpenAIエコシステムを使っている人
価格比較(2026年1月時点)
| プラン | 月額 |
|---|---|
| Claude Pro | 3,400円 |
| Claude Max 5x | 21,400円 |
| Claude Max 20x | 42,400円 |
| ChatGPT Plus | 3,000円 |
| ChatGPT Pro | 30,000円 |
9. まとめ
今回の検証で分かったことをまとめる。
「Codexは速い」は本当か?
→ 嘘だった。少なくとも今回の検証では、Claude Codeの方が26秒早く完了した。
「Claude Codeは丁寧」は本当か?
→ 本当だった。日本語での詳細な説明、許可確認、TypeScriptチェックなど、丁寧さが随所に見られた。
「Codexはブラックボックス感がある」は本当か?
→ 本当だった。作業中は英語で「Planning…」と表示されるだけで、何をしているかわかりにくかった。
最終結論
プロダクション開発にはClaude Code一択。速度、品質、安全性、すべての面で優れていた。
Codexは「ChatGPT Plusを既に使っている人が追加コストなしで試す」という用途なら選択肢になるが、本格的な開発ではClaude Codeを推奨する。
検証環境の詳細
- Claude Code:v2.1.15 / Claude Opus 4.5 / Claude Max
- OpenAI Codex:v0.88.0 / GPT-5.2-Codex / ChatGPT Plus
- 検証日:2026年1月23日
- テストプロジェクト:Remotion(React動画生成フレームワーク)